国家予算要望の業務内容について詳しく解説【地方公務員の仕事紹介】

  • 2021年12月9日
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国家予算要望とは何か?

国家予算要望とは、地方自治体が行う事業に対して予算(補助金)を措置するよう、国家公務員や大臣に対してお願いをすることです。

地方自治体というのは国からお金をもらって、それを財源にして事業に取り組んでいるため、少しでも多くお金を措置してもらうには国家予算要望が非常に重要になってきます。

要望する内容の例としては、「高速道路を建設するため国からの補助金をたくさんほしい」「台風により甚大な被害が生じたので助けてほしい」といった内容です。要望活動は地方自治体の首長や幹部が霞ヶ関まで足を運び、各省庁で働く国家公務員または大臣に会ってお願いをします。

自然災害などの緊急性の高い事態を除き、国家予算要望を行う時期というのは7~8月ごろと決まっています。理由は、国が来年度予算の編成に取り掛かるのが秋ごろなので、それに間に合うタイミングがこの時期だからです。この時期になると多くの地方自治体のお偉いさんが各省庁へ出向いて要望活動を行っていますよ。

ぱすてる
ぱすてる

夏真っ只中の暑い時期なので、皆さん汗だくになりながら要望活動をしています

わたしも実際に要望活動をしたことがありましたが、正直とても大変でした。事前の準備は大変だし、暑いし、荷物が重いしでかなりしんどい思いをしました。東京に行くことができる数少ない仕事でもありますが、もう一度したいかと言われれば絶対にしたくありません。それほど大変でした。

それでは国家予算要望の業務内容について詳しく解説していきます。

国家予算要望のながれ

① 要望書の作成
② 要望者と日程を決める
③ 国にアポイントを取る
④ 当日のスケジュールを作成
⑤ 要望をしにいく

ぱすてる
ぱすてる

要望のながれなこんな感じです。ほとんどが調整作業なのでとても面倒です

① 要望書の作成 ② 要望者と日程を決める

要望書はわざわざ業者に発注して製本をするため、作業工程が多くなりとても手間がかかる作業です。もしかすると、数枚の紙をホッチキス止めしたものを要望書として渡している自治体もあるかもしれませんが、お願いする立場ですので多くの自治体が製本した要望書を作成していると思います。ちなみに業者に発注するとなると、見積もり合わせ・業者選定・内容の校正・支払業務といった作業が発生するため、担当者の業務量がいっきに膨大になります…

また、自治体の多くは国家予算要望の内容を議会に報告するため、この冊子は議会への報告資料にもなります。要望の内容は自治体にHPで確認することもできるので、興味のある方は一度見てみてください。たとえば横浜市はここ( https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/seisaku/torikumi/bunken/yobo/ )で見れます。

要望書が作成できたら、その次は誰が要望をしに行くか選抜メンバーを決定し日程調整を行います。

③ 国にアポイントをとる

要望書の内容から、関係する省庁の部署に要望をしたらいいのかを調べます。

内容ごとに、総務省◯◯課、国土交通省◯◯課・・・といった感じで要望先を確定したら、その部署に電話をかけでアポイントを取ります。

ひとつひとつ電話を書けないといけないのですごく面倒くさいです。国の人もときどき邪険に扱ってくるのでメンタル的にも辛かったりします。

ぱすてる
ぱすてる

気持ちはテレアポをとりまくる新規開拓営業マンでした…

ただ、アポイントを取るのは役職の高い人だけで、課長レベルはアポを取らずそのまま要望をしにいきます。当日、席にいなければ要望書と名刺を机の上に置いて帰ります。

④ スケジュールの作成

限られた時間の中で、関連する部署すべてに要望して回るにはスケジュールを作成する必要があります。わたしの場合は関連部署の座席表を入手して、部屋の中をどのルートで回っていくか、分単位のスケジュールを作成しました。これはなかなかキツかったです。

ぱすてる
ぱすてる

前日に要望先の部署の下見をして、実際のルートを必死で確認しました。東京で遊ぶ時間も余裕もなかったです。

要望ってどれくらい聞いてもらえるの?

結論から言うと「ほとんどの要望は聞いてもらえない」です。

国の人は親切に対応こそしてはくれますが、真剣に要望を聞き入れてくるわけではありません。すべての要望に対して良い返事をするなんて不可能ですからね。他の地方自治体も要望をしにくるので、本当に要望書を見ているのかどうかも怪しいです。

じゃあ、なんで要望なんかするの?

大きな声では言えないですが、パフォーマンスの要素が大きいです。

ぱすてる
ぱすてる

国家予算要望をすることで「国に対してこんな要望をしているところです」ということをアピールできるのが大きなポイントです。たとえば、

議員「この制度はもっと要件を緩和できないのか!」
県 「本件については国に対して制度緩和の要望をしているところです」

というように議会での答弁で答えることができるため、国家予算要望はとても便利な活動であるともいえます。ただ、現場を知っている職員からすれば意味のある業務なのか疑わしいと言うのが本音でもあります。

以上、要望に関するはなしでした。