生活保護の仕事ってどんなことするの?【地方公務員のお仕事紹介】

生活保護を担当する公務員ってどんな仕事をするんだろう・・・?

こういった疑問にお答えします。

ケースワーカーとは

生活保護受給者を相手にする市の職員(公務員)を「ケースワーカー」と呼びます。

公務員の配属先のひとつに、「保護課」といった名前の生活保護を扱う職場があります。そこに配属された職員をケースワーカーと呼びます。基本的にケースワーカーは普通の公務員と思ってください。ケースワーカーには自分の担当の生活保護受給者が割り当てられ、受給要件に違反していないか等を管理します。

フジテレビ系のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』で取り上げられたことでも有名です。

ドラマの素材になるほどの仕事ですから、いろいろと大変なことが多い仕事です。なので、公務員界では「最も敬遠される配属先の一つ」としても有名です。それでは、ケースワーカーについて解説していきます。

ケースワーカーは本当にしんどいの!?

結論から言うと、ケースワーカーは精神的には疲れますが、業務量は多くないため長時間残業をすることはありません。

生活保護受給者を相手にすることから精神的にキツそうなイメージがありますが、生活保護受給者のほとんどは高齢者のため、実情はイメージほどしんどいというわけではなさそうです。

私は公務員におけるしんどい仕事は大きく次の2つに分類されると考えています。

① 残業が異常に多いためにキツい
② 苦情対応が異常に多いためキツい

ケースワーカーは②のパターンです。業務量で疲れるというわけではないが、受給者との対応で精神的に疲弊してしまうことが懸念される部署ですね。

生活保護に関する問い合わせ(クレーム)ならまだ対応する気になるのですが、全く業務と関係のない電話もかかってきます。セーフティーネットの役割を担っている制度なので”国が助けてくれて当たり前”マインドの人から「私はこんなにかわいそうなんだから助けなさいよ」的なクレームが多いと聞きます。

どんな人がケースワーカーに向いているのか?

ケースワーカーに向いている人は、どんな人が相手でも毅然とした態度で対応できる人です。日々、多くの受給者とやりとりする上では、制度上だめなことはハッキリと断る必要があります。「精神的にタフ」である必要はないですが、受給者や相談者から嫌な態度を取られても全く気にならない人は向いています。

私が同僚から聞いた話なので具体的な根拠はありませんが、ケースワーカーが所属する保護課の休職者の人数は他の部署に比べて多いようです。これは一概に仕事だけのせいではなく、ケースワーカーとして配属される職員の質にも関係していると私は考えています。大きな自治体になるほど生活保護受給者が増えるためケースワーカーも多く確保する必要がありますが、それに伴って”優秀でない職員”の割合も高くなります。

後述しますがケースワーカーというのは特に難しい仕事ではありません。加えて多くの職員を必要とする部署でもあるため、問題を抱える職員(仕事をしない、人間性に問題があるなど)が配属される場合も多いと聞きます。職場の人間関係で悩むことが多いかもしれません。

ケースワーカーは難しい仕事ではない

ケースワーカーは高度な仕事ではありません。なぜなら、政策立案能力・統計調査能力といった「ザ・行政マン」の能力は必要ないからです。そのため、先述したように仕事をしない年配の職員など質の悪い職員が一定数混ざっている傾向があります。

一方でケースワーカーが本当に好きで何年も継続して仕事をしている職員もいます。生活保護というのは、本当に困っている人を助ける制度ですからやりがいのある仕事であることは間違いありません。そこに魅力を感じるケースワーカーもいます。「ケースワーカーを極めたい」という思いから、福祉職(技術職の一種)として他の大きな自治体へ転職するという例も聞いたことがあります。

ケースワーカーの残業が少ないわけ

ケースワーカーは、担当する生活保護受給者の上限がある程度決まっているため、事務が膨大になることはありません。特に人口の多い自治体では、ケースワーカーの人数はとても多くなるため保護課は大所帯となります。人数が多いため仕事をしない質の悪い職員が混ざっていることもありますが、一方でメリットも大きいです。

人数が多い課で働くメリット

・周りに相談しやすい
・有給を取得しやすい

仕事をする上で重要なことは、周りに仕事を教えてくれる人がいるのかどうかです。職場の人数が少なく、先輩職員が常に忙しそうにしている部署だとなかなか質問できない…といった状況に陥ってしまいますが、大所帯の課だとそんなことはありません。困ったら周りの人に聞けるという環境は仕事をする上で非常に重要です。

なんといっても一番のメリットは、いつでも有給を取得できることですね。人数が多いので、残された職員に気を使うことなく仕事を休めます。実は海外旅行に行きやすい職場なんです。

(悪い意味で)すごい経験を味わえる

ケースワーカー経験者に聞いたヤバい話をまとめてみました。

・孤独死の現場の第一発見者となる
・犯罪容疑がかかっていた受給者を担当していた
・受給者がバイトしていないか探偵のように調査する
・受給者から包丁で脅される

これらは、私が本当に同僚から聞いた話です。特殊な例なので滅多にありませんが、このような体験をする職員は実際にいるんです。話は深堀りしませんが、やっぱりケースワーカーは特殊な仕事という印象が強いですよね。

ケースワーカーは出世コース!?

若いうちにケースワーカーとして配属された職員は出世コースであるといえます。私のいた自治体では、採用された1年目からケースワーカーに配属された場合、つぎの職場は高確率で激務の出世コース部署であることが多かったです。

公務員の世界では、激務の部署(財務系や人事系)が一般的な出世コースなのですが、出世コースにいる職員が過去ケースワーカーだったと言う例はよくあります。また、ずっと出世コースだった職員が係長に昇級した際、生活保護を担当する部署に配属というケースも多いです。このパターンはかなりエリートだと思います。

最後に、ケースワーカーとは

最後に、みなさんは生活保護受給者に対してどのような印象を持っているでしょうか。生活保護の不正受給問題が一時期話題となったこともあり、悪いイメージを持っている人が多いように感じます。しかし、誰しも病気や事故で経済的に自立が困難な状況になり得ます。そのような人を助けるのが本来の目的なのです。言い方を変えれば「今は無理だけど、元気になったら働きたい」といった前向きな人に対する投資でもあります。この制度を取り扱うケースワーカーは、非常に誇りある仕事だと思います。