
地域公共交通ってどんな仕事をしているんだろう
こういった疑問にお答えします。
今、問題となっていること
電車・バス路線の廃止により、買い物にも行けない交通弱者が問題となっています
公共交通は暮らすうえで非常に重要なインフラですが、人口減少にともなって利用者数も年々少なくなってきています。
鉄道事業者やバス事業者は、赤字路線を廃止しないと経営が成り立たないため、利用者の少ない路線は次々と廃止しています。
有名な例で言うと北海道です。北海道では、50年前は4,000kmあった線路が今では2,500kmまで減ってしまっています。
利用者からすれば、買い物にも行けなるという緊急事態ですよね。
ここで行政の出番というわけです。
事業のながれ
これが地域公共交通の導入フローです。
地域公共交通というのは、その地域の実情に合わせた持続可能な公共交通のことです
バスの運行が難しければ、ひとまわり小さなバンを使用する。
または、乗合タクシーに変更するといったように、地域の実情に合わせた乗り物や運行方法を選択します。
具体的にどのようなことをするのか
「行政」「地域」「交通事業者」で無理のない運送方法を検討します
例えば、今までどおり1時間一本のバスの運行では事業者の負担が大きいため、バスではなく乗合タクシーに変更してはどうかといった話し合いです。
運行方法が決まったら、運行経費と賃料収入を試算して、収支が安定するか検証します。
自治体から補助金をもらえますが、その補助を受けても赤字になってしまったら意味がありません。
利用者数と賃料の設定を正確に見極めて、運行計画を作成します。
事業の試算をする
行政からの補助額が大きすぎたら計画見直し!
上の図にあるように、行政からの補助金は「運行経費−収入」となります。
たとえば、
経 費:1,200万円
収 入: 200万円(200円×10,000人)
としましょう。
行政の補助額は差額の1,000万円となり、利両者一人当たり1,000円となります。
もし、同じルートをタクシーで利用した時、料金が800円であれば明らかにこの地域公共交通に対する行政の補助金額は高すぎますよね。
行政の負担がどの程度になるのかによって、計画の廃止や採用を決めます。
自治体の支援例:年間運行経費と初期投資額の補助
年間の運行経費に対する補助については先ほど述べた通りですが、初期投資に対する補助も行ったりします。
例えば、タクシー事業者に地域公共交通を委託して、乗合タクシーを運行してもらう場合、一般的には乗合タクシーを借り上げる必要があります。
事業者が乗合タクシーを持っていなければ、車両を購入する必要も出てきます。
また、普通のタクシーでは利用者に地域公共交通だとわかってもらえないので、車両をラッピングする費用等も必要となってきます。
行政としては、車両の借り上げ・購入・ラッピングにかかる初期費用を補助したりします。
行政として重要なことは
・持続可能な運行計画となっているのか見極める
・財政部局に説明して予算を確保する
交通手段がなくなって困っている人の要望をしっかりきいて、生活の足を確保するのが行政の仕事です。
地域公共交通が実現したら、きっと利用者から感謝されるでしょう。
現実は課題が多く難しい事業ですが、とてもやりがいのある仕事であると言えます。
また、これば自治体内部の話になりますが予算を取りにいくのも重要な仕事の一つです。
「貴重な税金が無駄な補助に使われていないか」と目を光らせる財政課の職員に説明をして、納得させる技術も必要となってくるでしょう。
面接で使える知識
地域公共交通は面接で使える知識です。
・実家の最寄りのバス停がなくなったので、身近な問題に感じている
・公共交通全般(近未来的な自動運転から地域公共まで)に興味がある
興味のある仕事について面接で聞かれた時は上のようなセリフは使えます。
エントリーシートを記入する時もかなり使える文言です。
必ず、志望先の自治体の取り組みを調べてその要素を盛り込んだ上で使ってみてください。
以上で、説明を終わります。
ありがとうございました。