
営繕って何?どんな仕事をしているんだろう?
こういった疑問に回答します。
営繕課とよばれる部署の仕事内容について解説します。
そもそも営繕とは?

営繕ってことば聞いたことないですよね
営繕とは、「建築物の営造と修繕」のことをいい、建築物の新築、増築、改築、修繕、模様替等の工事を指します。
国土交通省HP
つまり営繕とは「建物の建築・修繕」のことをいいます。
地方自治体はじつはいろいろな建物をもっています。
たとえばこんな建物です。
・市役所
・市民ホール
・学校
建物というのは建設して終わりと言うわけではなく、修理や耐震改修といったメンテナンス的なこともしないといけません。
建設費用だけ用意すればいいというわけではないんです。
意外とメンテナンスに多額の税金が使われていたりします。
ただ、維持管理をしっかりしないと、たとえば天井の一部が崩れて市民の人を怪我させてしまったみたいな事故を起こしてしまうと大変です。
なのでかなり重要な仕事でもあります。
営繕課の具体的な仕事内容とは?

営繕課は県庁・市役所の工務店です
家を建てたり改築したりする場合、素人では到底できないので工務店にお願いしますよね。
自治体の中でも同じで、建物を立てようとしたり修繕しようとするにしても、ただの素人である職員では工事の発注すら難しいため、営繕課が一括して請負いましょうというシステムで動いています。
営繕の仕事のながれ
まずは、建物を所管する他の部署から修繕の相談がきます。

そんなに色々な部署が建物を所有しているの?
意外と多いですよ!しかも建物によって管理する部署が違います!

実は同じ市役所の建物であっても、建物ごとに管理を任されている部署は違います。たとえばこんなかんじです。
・学校 → 教育委員会
・公園のトイレ → 公園整備課
なので、さまざまな部署から修繕のお願いがくるわけなんですね。
そして、かかりそうな費用をだいたいで積算します。
次にその費用を依頼元の部署に用意してもらいます。
修繕にかかる費用は営繕課が持つのではなく、その建築物を所有している部署、ここでいう依頼元の部署が持ちます。
予算があることが確認できたら、実際に設計→工事と進めます。
営繕課が設計図を書くわけではない!
実は設計図を書くのは営繕課ではなく業者です。
もちろん工事するのも業者です。

結局全部委託しているの!?
流石に設計図を書くのは専門家に委託します。もし設計図を書けたとしても職員の人手が足りなさすぎるんです。

営繕課の仕事は”自治体の中の修繕の要望をとりまとめて業者へ発注”することです。
その過程で設計図がしっかりと要望通りにかけているかどうかを職員がチェックします。
大規模な建築物を建設する場合
たとえば、新しく市役所を建て替える場合はけっこう手順が必要です。
手順はこんな感じ
基本構想、基本計画を策定して市民にどんな建物を建設するのか公開しながら進めます。
この構想や計画は「パブリックコメント」という市民の意見を聞く制度を利用して、様々な人の意見を反映させます。
そこから基本設計、実施設計を行いやっと工事へ・・・という流れです。
基本設計とは大雑把な設計、実施設計は細かい設計と理解してください。
だいたい工事まで3〜5年かかります。
図には書いていませんが、市役所のような大きな建物を建てる場合、コンペによって建物の設計を募集することもあります。
設計を委託するといっても、このようにやることが非常に多いのが実情です。
営繕課は技術職の花形です

営繕課は技術職(主に建築)に人気があります
専門的な知識を扱ったり、大きな建築物の建設に関わることができるので人気があります。
公務員の仕事ってわりと後ろ向きな仕事が多いのですが、建物を新しく建築する仕事って前向きでやりがいがありますよね。
そのようなところも人気の理由なのかもしれません。
営繕はエントリーシートのネタに使いやすい
建築枠で公務員をめざしている人は、エントリーシートのやりたい仕事として一番書きやすいのが営繕です。
たとえば、
・責任重大である公共建築物の建設・修繕をやってみたい
・自治体側から建築分野の発展に寄与したい
といったところでしょうか。
志望している自治体で、大規模な修繕工事や建設工事が行われているのであれば、そのネタをHPで調べ上げ、この業務に関わりたいというのもありだと思います。
その場合は、どの部署が携わっているのかしっかりと確認してください。
ここでは営繕課と表現しているますが、自治体によっては全く違う部署が事業を担当している可能性があります。
特に、大規模な建設工事にもなると、その事業を行うためだけの課が新設されるパターンがよくあるので注意です。
以上で営繕課の仕事の解説を終わります。
ありがとうございました。