
住宅政策ってどんな仕事をしているんだろう?
こういった疑問にお答えします。
住宅政策関連の仕事は、「住宅政策課」「住環境整備課」といった部署が担当しています。
そもそも住宅政策とは
住宅政策とは、住まいに関する補助制度をつくることです。
行政にとって生活基盤である衣・食・住を支える事業は非常に重要であり、特に住は自治体が多くの補助制度を実施している分野でもあります。行政が住宅政策を行う目的は「お金に困っている人が、より良い住環境で生活するための費用を補助する」ことです。限られてた予算の中で、本当にお金に困っている人を対象として補助制度を作っていきます。

お金に困っている人を対象にしているので、年収などの収入要件はかなり低めに設定されていますね。
例えばこんな事業があります
- 新婚・子育て世帯等に対する家賃補助
- 空き家の改修費に対する補助
- 耐震化の費用に対する補助
代表的な住宅に対する補助はこのあたりになります。それでは少し解説していきましょう。
1.新婚・子育て世帯等に対する家賃補助

給料の安い若い世代の人にとって、住宅というのは金銭的な悩みが多い問題です。特に新婚世帯・子育て世帯にとっては、お金の出費をできるだけ抑えたいところです。
そういったお金に余裕のない、いわゆる「新婚・子育て世帯」をターゲットを対象に家賃補助をしてあげようというのが若者に対する住宅施策です。
若者を集めることは自治体にとって最重要課題
人口が都市のバロメーターと言われるように少子高齢化の時代に若者が転入してくることは、地域の活性化や労働人口増による税収アップにつながるため、自治体にとってはメリットだらけです。若者の奪い合いが都市間で発生しているのが日本の現状です。
空き家に対する住宅政策とは?

最近は空き家が増えて、社会問題にもなっています
空き家は自治体にとっても頭が痛い問題のひとつです。
そこでなんとか空き家を減らそうと住宅施策を展開しているというのが、いまの自治体の現状です。
将来的に増え続ける空き家問題を少しでも解消するために、「空き家の活用するための工事費用を補助します」といった事業はどの自治体にもあります。
補助制度はホイホイと簡単につくることができない
このように、住宅施策というのは「なにか解決しないといけない問題」に対して事業を展開していきます。
財源はみなさんからいただいている貴重な税金なので、ホイホイとかんたんに補助制度をつくるわけにはいきません。
人口減少や空き家問題といったなにか「社会的な問題」を解決するため制度をつくるというのが補助制度の特徴です。
住宅政策を考える部署はクリエイティブか?

自治体によって住宅政策の特徴がありそうだね
と、思われがちですが…
実はちがいます。
いろいろな自治体のホームページを見比べてもらうとわかるのですが、正直どこも同じような事業をしています。。
なので、あまりクリエイティブな職場という感じではありません。
公務員がしごとをさぼっているわけではなく、補助制度の性質上しかたのないことなんです。
というのも、補助制度の財源はみなさんが納めている税金であるため、一部の人が得をする制度は非常につくりにくいからです。
例えば、
「○○市に引っ越してきて家を建てたら500万円補助しますよ〜」
なんて補助制度作ろうもんなら、一年前に自分のお金で家を建てた人は激怒しますよね。
こういった理由で思い切った制度というのはなかなか作れません。
既存の事業を粛々をすすめていくイメージになります。
具体的な住宅政策について解説します

ここからは更に詳しく具体的な事業について解説していきます。
代表的な住宅施策として、
②:耐震化の促進
あたりについて具体的な事例を紹介しながら説明します。
新婚・子育て世帯等の市内居住の促進
よくある住宅政策の例として、新婚・子育て世帯への補助があります
人口減少は税収の減少に直結するため、どの自治体も人口の確保には必死になって取り組んでいます。
先にも書いたように、若者の呼び込みは最重要事項です。
そこで、たとえば呉市ではどんな住宅政策をしているのか見てみましょう。
↓
一戸建てを購入すると補助を出しますといった補助制度です。
わりとよくあるやつですね。
呉市の場合は中古一戸建てを条件にしています。
なので、
・中古住宅の流通
この2つ課題を解決するため、補助制度をつくったことがわかります。
家の購入補助に40万円は魅力的とはいいがたいですよね…
もちろん貰えるに越したことはないですが、40万円のために中古住宅を買おうとはいう人はなかなかいないんじゃないかな…と思います。
ではなぜもっと補助金を高額にしないのかというと、冒頭に言ったとおり、あくまで税金を財源としているので一部の人があまりにも得してしまう公平性のない制度は作れないからです。
耐震化の促進
その名の通り、耐震化工事等に補助をする事業です。
大阪市を例にみてみましょう。
↓
「耐震に関する診断・設計・工事それぞれに対して補助を行います」という制度をつくっています。
耐震化は国が法律をつくって進めている事業ですので、どの自治体も補助制度はつくっているはずです。

やっぱり画一的な住宅施策になってしまいますよね
住宅政策の知識は試験でつかえるのか?

志望動機で「住宅政策をしたいから」って使えるのかな?
使えなくもないけど少し弱いです!

グループディスカッションや小論文のテーマにはなりやすいのですが、面接の志望動機で「住宅政策をしたい」はあまり使わない方がいいと思います。
理由は、
・インパクトがない
です。
住宅政策はどの自治体も同じようなことをやっているんですよね。
なので、
「他の自治体でも同じことしているのに、なんでこの市を選んだの?」
と面接官に返されるとなかなか辛いです。
補助制度つくるために、公務員になりたいですっていうのもちょっと違いますよね。
インパクトがないですし、もっとほかにいい理由ががあるだろうと試験官に思われておわりです。
ただ、技術職志望の方で「耐震関連の事業に興味があります」といったながれだと理屈がつきやすいので十分アリだと思います。
以上で住宅政策の解説を終わります。
ありがとうございました。