【地方公務員の仕事】会計検査ってどんなことをするの?【技術職の一大イベント】

  • 2021年12月15日
  • Work

会計検査ってどんなことするんだろう?

こういった疑問にお答えします。

会計検査とは

会計検査、通称「会検」は、国の役人(会計検査院)が県や市にやってきて、国からもらっている補助金が適正に使われているか検査することです。地方自治体は、国から多額のお金「国庫補助金」をもらって事業をしているため、そのお金が正しく使われているかどうかチェックしに来るのが会検です。

地方自治体は事業の財源として国から半分ほどお金をもらいます。このお金を「国庫補助金」といいます。


ただし、どんな事業でも国庫補助金がもらえるわけではありません。具体例でいうと下のような公共性の高い事業が対象となります。

  • 道路工事
  • 河川工事
  • 公営住宅工事

例のような自治体が行うハード整備には、国からの補助金が多く使われています。道路や住宅をつくるには多額のお金が必要になり、かつ人命を守る重要なインフラであるため公共性が高いといえます。

市営住宅・道路・港湾などを整備する部署は国から多額のお金を補助してもらっているので、そこで勤務する職員にとって会計検査は非常に怖い存在です。特に事業に取り組んでいる技術職の職員にとって一大イベントとなります。

会計検査は拒否できないのか?

ぱすてる
ぱすてる

理由つけて拒否できないのかな?


会計検査を受けるにあたって、事前に大量の書類作成するあるため作業は膨大になります。かなりバカな発想ですが、会計検査にあたったときの私はなんとか検査を逃れる方法を模索しました。そして、拒否すると懲戒免職になると言うことを知り一瞬で仕事に戻りました。

会計検査院法

第31条 会計検査院は、検査の結果国の会計事務を処理する職員が故意又は重大な過失により著しく国に損害を与えたと認めるときは、本属長官その他監督の責任に当る者に対し懲戒の処分を要求することができる。

2 前項の規定は、国の会計事務を処理する職員が計算書及び証拠書類の提出を怠る等計算証明の規程を守らない場合又は第二十六条の規定による要求を受けこれに応じない場合に、これを準用する。

ぱすてる
ぱすてる

会計検査院の権力は強大ですね

検査は具体的にどんなことをするのか?

ぱすてる
ぱすてる

わたしはハード系の部署にいたので、建築や土木関係に対する会計検査についての流れを説明します!

検査の流れはつぎのとおりです

  1. 会計検査の3か月前に連絡がくる
  2. 調書を作成する
  3. 検査の前日に検査個所の知らせがくる
  4. 検査を受検する

詳しく説明します。

1. 会計検査の3か月前に連絡がくる

会計検査が実施される3か月前に連絡がきます。連絡の流れは会計検査院→所管省庁→都道府県庁→市町村の順で、都道府県庁や市町村に連絡が来るときにはほぼ日程が決定しています。連絡が来るとすぐに関係する部署の部長・課長・係長の予定を押さえます。会計検査は非常に重要なイベントであるため、よほどの予定と重なっていない限りは強制的に出席させられます。

第一報が職場に届くと「ついにこの時が来たか」という何とも言えない緊張感が漂い、検査を知り尽くしているベテラン職員は張り切りだします。

ぱすてる
ぱすてる

会検で張り切るおじさんは、たいてい「気合を入れるために飲みに行くぞ!」って無理やり飲みに誘ってきます

検査官の趣味を把握せよ?

会計検査に精通するベテラン職員の人から「検査官の喫煙の有無、コーヒーとお茶どちらを飲むのか、昼食は何を食べるのか把握するように」と言われたことがありました。そのくらい接待には気を付けるようにとのことだと思いますし、受検する側としてはつまらないことで検査官の機嫌を損なう様なことはしないでほしいという意味もあったと思います。

ちなみに、事前にわかるのは検査官の名前くらいなので、喫煙者かどうか等の判断は当日会ってからでないとできませんでした。昼食も何を食べるのかわからないので、会場周辺の美味しいお店をまとめた地図を作成して渡しましたね。

検査官と受検者側(地方公務員)が過度に接触することはコンプライアンス上あってはなりませんが、昔は便宜を図ってもらうため、受検前日に飲みに行ったりご飯を一緒に食べたりして接待をしていたなんてことがあったようです。真偽はわかりませんが、昭和の時代であれば普通にそういうことしてそうだなあと個人的に思います。

2.急いで調書を作成する

検査日までにいくつか調書を提出するように会計検査院から指示があります。調書は3,4種類あるのですが、その中でも契約金額や契約日、工期、工事内容等を詳細に記載する調書は超重要書類となるため間違えの無いように慎重に作成します。

ただし検査当日までに調書を作成しておけば良いというわけではなく、検査官が事前に目を通す時間を確保するため、かなり早い締め切り設定で資料を要求してきます。

また、検査にはテーマがあります。例えば、今回の検査では「街灯工事」を重点的に検査するため、対象となる工事は特別調書にまとめるようにといった指示があり、このテーマに該当する工事は高確率で当日の検査対象となります。

会計検査院に提出する調書とは「国庫補助金を◯◯円以上つかっている事業」をピックアップしたものになります。金額や工事箇所、契約日といった詳細な内容をまとめるため、数百ページになることもあります。

3.検査の前日に検査箇所の知らせがくる

調書には数百個の契約を記載しますが、検査官がすべてチェックすることは不可能なのである程度検査個所を絞ります。検査日程にもよりますが、だいたい10~30か所を指定されます。

ただし、その検査個所は検査の前日に会計検査院から連絡がきます。

ぱすてる
ぱすてる

なんでもっとはやく教えてくれないの!いじわるじゃない?


私にもよくわからないのですが、なぜか前日にならないと検査箇所を教えてくれませんでした。あまり準備させたくないのか、検査官が忙しすぎて具体的な検査箇所を確定させるのが遅くなるのか、理由は分かりませんが検査を受ける側としてはかなり迷惑でした。

検査個所が決まると明日の検査に向けてさらに資料を作りこみます。仮のスケジュール表(検査当日に検査官にスケジュール表を確認してもらう必要あり)を作ったり、誰がどの検査に出席するのかなどを詳細に詰めていきます。検査には現場への視察(実地検査)もあるため、視察のルートや時間を決めてから運転手との打ち合わせをします。

当たり前ですが検査個所がわからないと作業できないことはたくさんあるので、前日が忙しさのピークになります。

4.検査を受検する

あとは検査を頑張るだけです。よくあるのが当日になって追加で検査箇所を増やされたりします。

ぱすてる
ぱすてる

検査官にはさいごまで振り回されました…

ちなみに検査官はかなり怖かったです。おそらく受検者側との距離を作ることでスムーズに検査を行うテクニックの部分もあると思いますが、説明がうまくできない受検者には普通に厳しい口調で詰めていました。

さいごに:会計検査を経験して

ぱすてる
ぱすてる

スケジュールがタイトなのでしんどいのですが、ゴールがある仕事なのでおわったら達成感はあります!

わたしの場合は会計検査の「とりまとめ」をしたので本当にいい経験をしたなという感じです。

会計検査の流れを把握して担当部署へ指示を出したり、調書の作成、検査箇所のスケジューリングなどさまざまな体験をできました。

ちなみに二度としたくはありません。